戸賀編集長(トガ) そうだな、もとよりブレゲに「業界初が多い」革命児なイメージを持っている有識者は少なくないだろう
タム そもそも「スースクリプション」という懐中時計は有名なのでしょうか?
トガ ホワイトエナメルに青焼きの単針は、ソースを忠実に再現している。5分刻みに区切り線が描かれて、ちゃんと時間が読める設計なんだ
タム きもち傾いた「ブレゲ数字」も、穴が開いたユニークなデザインの「ブレゲ針」も初代考案の革新的アイデアですよね!
トガ これも実は面白いところ。ヒゲゼンマイという初代が発明したギミックを、スウォッチの最新マテリアルで仕立てたというのがポイントなんだ
タム そっか! ブレゲはスウォッチグループだから250年をかけた“新旧のコラボレーション”というワケですね!
トガ そう。一方で、美しくも繊細かつ複雑であるからこそ“防御力”に課題意識があったブレゲが、弱点を克服した!という意気込みを感じるよな
タム カメラでとらえることは、限りなく不可能でしたね(笑)
トガ いまでこそ、多くのマニファクチュールやメゾンで“本社に送ってメンテナンス”が可能になっているが、ブレゲ創業の時代はそんな簡単にはいかなかった。
そこで初代が考えた“街の時計屋さんでも直せる”ギミックというが、ここで話している「左右対称の配置」だ。
ぱっと見るだけでなんとなく“こう直せばよいのかな?”が分かるようにしたんだな。
複雑に作用しあうゼンマイを、配置するだけでなくほぼ完ぺきな対称位置にする。
途方もない計算の上に創り上げられたのが「スースクリプション ウォッチ」だったというワケだ。
タム 見た目の美しさもさることながら、中身も完璧な“イイ女”てなワケですね!
トガ 普段ならツッコむところだけど、こればっかりは否定のしようがないな(笑)
トガ 何を隠そう、そもそもこの「スースクリプション2025」は250周年を祝う記念時計の“第一弾”として発表された。このあとどんな至宝が出るかはわからないけど、期待せずにはいられないよな タム 確かに「スースクリプション」に心が揺らいでいる感じですか?(笑
トガ まるで美術品のようなクオリティなんだけど【絶妙にラウンドしたサファイヤグラス】や【芯なしのアリゲーターストラップ】など着用してはじめて理解できる魅力もあるんだ タム 盛りだくさんですよね。発表会では、こだわりの香箱も実物を見せていただきましたね!
トガ そうだな、これも当時モノにオマージュした逸品でモロッコ製レザーケース。 ブレゲってシリアルにもこだわっていて、今回は2桁のアルファベットが「MS」で統一されている。
タム そうですね! なんでも「Montre de Souscription」の略だとか。歴史を知っていると、より面白く感じますよね
トガ ブレゲのウォッチナンバーは被りが出ないようにしているし、必ずしも連番になっている訳でもない。つまり、ここに書いてある「No992」は“番目”ではなく、あくまでもこの個体の名前ともいえるってこと
タム そう考えると「もう少し早めの番号が良かった」ってならなくて良いですね!
限定ではないが、作りこみから考えて
そうそう何本も出るわけじゃあ、ない
トガ 「限定何本」とは発表されていないものの、一つひとつ手作業の工程が多いため明らかに大量生産はできないだろう。
タム この辺も、初代ブレゲの売り方に忠実なのが好きな人には胸熱でしょうね(笑) 間違いなく、これからブレゲの中でも重要な立ち位置になるであろう名作ウォッチであること、理解できました!
トガ お前ももう、ブレゲのファンになってるじゃない(笑) 銀座で行われた発表会。ついでに店頭に出ている腕時計も見させてもらったのか?
タム モチのロンでございます! やっぱり“ブレゲ解釈のラグスポ”なマリーンに見惚れちゃいます
トガ もう何度もブログで触れているけど、タイプXXは何度見ても神々しいなあ… てな具合に、新旧どちらもそれぞれに魅力があるな!
タム 常に最高到達点を更新し続けているブレゲが、1795年に後の長い歴史を作ることになる“幕開け”として出したウォッチが「スースクリプション」だった
トガ そして250周年を迎える今年、おなじ名の時計を出すこと意味、少しは理解できたかな? ブレゲの本気、そういうワケです!
ブレゲ クラシック スースクリプション 2025BH/28/9W6
7,359,000円(税込)
トガブロ。再読委員会
トガナリ。編集局のスタッフと共に、戸賀編集長が15年以上もしたためている『トガブロ。』を読み返そう!という編集企画。