トガナリ

Column

26/2/16

vol.41 次なるGクラス! メルセデス・ベンツG450dローンチエディション

戸賀編集長4台目となるGクラスは、メルセデス・ベンツG450dローンチエディションだった

出版業界では、かなりのクルマ好きとして知られている戸賀編集長(トガ)。数々のクルマを乗り継いで来た彼が、10年に渡るメンズクラブ編集長という肩書を外し、忖度が無くなった状態のなかで、「どんな基準でクルマを選んでいたのか?」、「そのクルマの魅力はどこなのか?」等を大いに語ります。
話の聞き手は、戸賀編集長が雑誌編集者時代から30年来の付き合いを続けている、フリーランスエディターの菅原(スガ)。若い頃の数年間は、仕事も遊びもほとんど一緒に過ごしていたという「トガ&スガ」の二人。そんな二人ならではの昔話、こぼれ話もお楽しみに。

 

新たな愛車、メルセデス・ベンツG450dローンチエディション

 

スガ ということでトガ、今回はG400dプロフェッショナルに続く、SUVのファーストカーについて聞いていく回となります!

そんなに昔の話しではないから、G400d プロフェッショナルの次の1台がG450dローンチエディションだということを知っている人も多いと思うんだよね。だから今回は、皆さんがそれを知っている前提で話しを進めようと思います(笑)。

トガ 問題ないと思います。

スガ 俺の記憶によれば、G400d プロフェッショナルからG450dローンチエディションへの乗り換えって、けっこうスピーディだった記憶があるんだよね。確かトガから来た連絡も、「連絡が遅くて申し訳ないんだけど、じつは今日納車なんだよ」みたいな感じだった(笑)。その辺りから聞かせて貰っても良いかな?

トガ 確かにけっこう早かった (笑)。でもなスガ、それはG400d プロフェッショナルの「あまりに目立ちすぎること」「高速走行時、80キロくらいから出てくる風切り音」や、「夏場に車内が暑くなりすぎる原因となる黒革のシート」が、どうしても当時の俺には納得できなかった、というがそもそもの原因なんだよ。

さらにその納得できない思いは、日に日に大きくなっていくしさ。

スガ 早い話が、早くクルマを乗り替えたくて仕方が無かったワケだ(笑)。

トガ まぁ、そういうことだ(笑)。

じつは当時の俺もG450dローンチエディションへの乗り換えを考えたことはあったんだよ。「とりあえず、つなぎのクルマと考えればありかな?」と考えたワケだ。でもなスガ、G450dローンチエディションは、あまりに特別感が無さ過ぎるんだよ。

俺からすると、ローンチエディションは限定車ではあるけれども、本当の意味での限定車ではない。だって、わざわざ限定車を買わなくても、ノーマル車両を購入してオプションを付けていけば、ほほ同じ仕様のクルマを作ることが出来てしまうんだぜ。これってまったく面白くないし、限定車である意味がない。だから購入を見送ったという経緯があった。

スガ 確かに限定車らしい特別感は無いよな。

トガ だろ? それでまたクルマ探しを始めることになるんだけど、やっぱりG450に積まれたメルセデス史上最もパワフルと言われている、3リッター直6ディーゼルターボの仕上がりだけは、どうしても気になっていたんだよね (笑)。

自動車評論家の方々の評価もかなり高かったし、正直、いつかは所有しても良いかな? 買うなら本物の限定車が出た時かな? と考えていた自分がいたことは間違いない(笑)。

スガ Gクラスを乗り継いできた戸賀としては、ローンチエディションはともかく、G450dの進化に関してはかなり気になっていたワケだ(笑)。

トガ Gクラスは乗り継いできてますからね(笑)。で、いつかは乗りたいなぁ、なんて考えていたら、ついにG450dに試乗できるチャンスが巡ってきた。本当に短い時間の試乗だったんだけど、その限られた時間の中でも大きな変化を感じることができたんだよ。そのくらいのレベルで進化していることに本当に驚いた。

そんなこともあって、とりあえずつなぎのクルマとして、限定車ではない素のG450dを購入するのもありかも! って方向に考えが傾いたんだよ。ゲレンデならベーシックなモデルでもリセールを期待できるしね。

スガ やっぱりリセールも考えるとなると、最終的にはGクラスに落ち着くよな。

トガ だよな。そんなことを考えていたらメルセデスの営業から、『G450dローンチエディションを買いませんか?』という連絡が入るんだよ。

スガ タイミングが良過ぎるな(笑)。

トガ 本当にそう思う(笑)。俺が思うに、おそらく何か事情があって、納車寸前にキャンセルになってしまった車両が出たんだろうね。営業もかなり焦っていたみたいで、24時間以内に返事が欲しいと言ってきた。

スガ そんなこともあるんだな。

トガ 俺もびっくりしたけどね。そこで、あらためてメルセデスの営業に聞いてみた。じゃあ、もしG400dプロフェッショナルを買い取ってもらうとしたら、いくら位で引き取って貰えるのかって。そうしたら買った時とほぼ同じくらいの価格で買い取ってもらえることが分かった。

スガ そりゃかなりの好条件だな。

トガ 営業もかなり頑張ってくれたとは思うよ。でも資金の面がクリアになったことは大きかった。そこからは一気に話が進んでしまって、あっという間の納車に至ったというワケです(笑)。

 


ボディカラーの「オブシディアンブラック」と、インテリアの「チタニウムグレイ」は、戸賀編集長いわく、いかにもゲレンデヴァーゲンという組み合わせ。まったく注目を浴びなかったとか


 

トガ で、購入したG450dローンチエディションなんだけど、ボディカラーは、「オブシディアンブラック」で、インテリアは「チタニウムグレイ」という組み合わせだった。残念ながら、どちらも特別俺が好きな色ではない(笑)。その辺を走っている、ある意味、いかにもゲレンデヴァーゲンっていう感じの組み合わせだよな。

でも車内を見てみると、シート以外はほとんど一新されてまったく新しいものになっていたし、シートにもダイヤモンドステッチ入りのナッパレザーシートが採用されていたりしてから、外からは分かりにくいけど限定車っぽい部分は意外とあったんだよね(笑)。

スガ その言い方が、いかにもつなぎのクルマです、って感じだな(笑)。

トガ でもな、このチタニウムグレイというシートの色がくせ者だった。このグレイ、いわゆるグレイではなく、かなり黒に近いチャコールグレイで、言われなきゃ黒だろ! ってくらい黒だった(笑)。

今でもメルセデスのインテリア担当に会えることがあれば言ってやりたいんだよ。あれがグレイって、どうしたらそうなるんだって(笑)。だから、ゴルフ後は黒革と同じくらい汗だく。シャワー浴びても意味がないくらい暑かった。

もっと調べておくべきだったんだけど、あれは営業の「チャコールグレイ」という言葉を前向きに捉えすぎてしまった俺の失敗。今なら絶対に買わないカラーだね(笑)。

 


G450dローンチエディションのシートには、ダイヤモンドステッチ入りのナッパレザーシートが採用されていた


 

トガ でも、それよりも何よりもG450dローンチエディションには気に入ったところがあった。それは、圧倒的にG400dプロフェッショナルより目立たないことだった(笑)。ちなみに誤解が無いように言っておくけど、俺が所有していたG400dプロフェッショナルの『デザートサンド』というボディカラーはけっこうお気に入りだったんだよ。

ただ、ルーフキャリアや梯子といった余計な装備がいらなかっただけ。あれのおかげで風切り音が大きくなるくらいなら、俺的には付けない方が断然良かった。

スガ でもさ、あの装備があるからこそのプロフェッショナルなんじゃないの?

トガ 俺的には必要なかったんだから仕方がない(笑)。

スガ まぁそれは好みの問題だからな。ちなみにG450dは、空力性能や静粛性も向上していたみたいだけど、風切り音の大きさや、エンジンの静粛性、走りについてはどうだったの?

トガ これがメチャクチャ良かったんだよ。

スガ そんなに違ったの?

トガ G400dとはまったく別モノだった。風切り音はほとんど気にならないレベルだし、エンジンの静かさなんかは、G350からG400に変わった時の進化が100としたら、G400からG450への進化は150。そのくらい違った。

スガ う~ん、すげぇ違うということは分かるんだけど、イマイチその差が俺には伝わってこない(笑)。具体的にはどんな感じなの?

トガ 分かれよ(笑)。

たとえば、ディーゼルエンジンって独特の排気音があるだろ? G350からG400に進化した時でも、かなりディーゼルっぽさは抑えられていたんだけど、これがG450になったら、「これはガソリンエンジンが積まれています」って言われても分からないくらいの仕上がりなんだよ。これにはマジで驚いた。

実際に街中で走ってみても、とにかく滑らかで静か。G400の時でもモーターが働いている感じはあったけど、G450はさらにモーターを強力にしただけあって、後ろから誰かに押されているように感じるくらい出だしが良い。

東関道を走っても、3000回転まで回せば法定速度の120キロなんてあっという間だったし、パワーというよりは、トルクが太くなっている感じが強かった。あの後ろからグッと押されるような感覚は、G450ならではだったね。

あとは、……やっぱり走行中も本当に静かってことに尽きるかな。ひとつ次元が変わった感じさえしたよね。

 

 

G450dローンチエディションの乗り心地は?

 

スガ そういえばG450dローンチエディションには20インチのAMGホイールが採用されていたけど、その乗り心地ってどうだったの? G400dプロフェッショナルは、インチダウンされていていたことで乗り心地が良くなっていたみたいだけど、やっぱり今回は多少硬さを感じたのかな?

 


G450dローンチエディションには、20インチのAMGホイールが採用されていた


 

トガ スポーティな感じの硬さは当然あったけど、不快になるような硬さはなかったよ。というか、ニューモデルだから乗り心地は前モデルよりは間違いなく良くなっていると思う(笑)。

俺はSUVはまったり乗りたい派だから、乗り心地が良いに越したことはないけど、適度な硬さを感じる乗り味もけっして嫌いではない。普段使いのクルマとしてのG450dローンチエディションには、何の不満も無かったよ。

スガ おっ、ということは意外と評価は高い?

トガ まぁね、クルマとしては本当に良くできていたと思うよ。

 

 

インテリアに目を向けてみると

 

スガ ほかにも進化した部分はあった?

トガ G450dローンチエディションになって、横長のインパネが、ついにタッチパネルになったのも大きな変化だった。俺自身としては4台目のGクラスになるんだけど、4台目にして初のタッチパネルなんだよ。ちなみにG400は、横長なだけでまだタッチパネルじゃなかったしね(笑)。

あと、これも忘れちゃいけなかった。意外と知らない人が多いんだけど、G450でようやくキーレスエントリーが採用されたんだよ。これはやっぱり半端なく便利で、間違いなく皆が求めていたものだと思う(笑)。ゲレンデオーナーにとって、ここは外すことができない大きな進化だね。

 


Gクラスの歴史では、G450dで初めて採用されたタッチパネルのほか、ステアリングやセンターコンソールのスイッチ系には、Sクラスのデザインが踏襲された


 

トガ そして、操作系。ステアリングのスイッチ系もセンターコンソールのスイッチ系も、Sクラスのデザインを踏襲したこともあって使いやすくなった。 Sに乗っているうちの妻も慣らし中のG450に乗ったみたいだけど、凄く運転しやすかったって言っていたからね。

スガ ということはクルマとして、かなりラグジュアリーな方向に仕上がってきたって感じなのかな?

トガ それは間違いないね。

 

 

ゴルフ大好きオジサン必須の純正オプション

 

トガ そうだスガ、ゴルフを楽しむゲレンデオーナーには必須の、純正オプションを紹介するのを忘れるところだった!

スガ そんなオプションがあるの?

 


キャディバッグを積むにはタイヤハウスが邪魔になるラゲッジスペ―ス

 

タイヤハウスの上にボードを載せ、そこにキャディバッグを積むというゴルファー必須の純正オプション


 

トガ Gクラスって、けっこうタイヤハウスが出っ張っているから、どうしてもキャディバッグをは斜めにしかめないんだよ。そこでタイヤハウスの上にボードを載せることでフラットな面を作って、そこにキャディバッグを積むというパーツがアフターマーケットにはあった。それがついに純正オプションとして登場したワケだ。

このパーツがあれば、タイヤハウスとクラブのヘッドが干渉するのことがない。これによって、シャフトへの負担が無くなるから、移動中の心配事が解消されるんだ。これは道具を大事にする俺としては、心待ちにしていた純正アイテムの登場だった。

スガ 20代の頃は、ゴルフクラブと一緒に風呂に入っていたトガらしい意見だな(笑)。

トガ うるさいぞ。誤解が無いよに言っておくけど、あれは風呂でクラブを洗ってただけだから(笑)。さらにスガ、さすがはメルセデスの純正オプション、アフターマーケットの商品を上回るクオリティで、かなりしっかり作り込んであるんだよ。アフターマーケットの商品と違ってただの棚ではなく、しっかりとした引き出しも付いていた。

これなら引き出しの中にあるものが外から見えないから、防犯上も優れているんだよ。これによって、クルマの中にゴルフボールだったり使わないヘッドカバーだったり、その他小物類を、車中に置きっぱなしにすることが可能になったワケだ。引き出しの左にはシューズ入れもあったしね。

スガ それってゴルフ大好きオジサンには、かなり大きいポイントだよな?

トガ その通り。今まで散乱しがちだった小物類を、きっちり整理したいオジサンは間違いなく多いんだよ。ゴルフを嗜むG450dオーナーには必須のアイテムと言っても過言ではないと思うよ。G400dや350のオーナーも、ディーラーに相談してみる価値はあるんじゃないかな?

スガ 話しを聞いていると、思いのほかG450dローンチエディションを気に入っていたように感じるんだけど、何で手放すことにしたの?

トガ まず、ローンチエディションの後に出た限定車、「G450d Stronger Than the 1980s」が2000万円台後半のプライスでリリースされたんだよ。まずこれが引っ掛かった。

俺にとってゲレンデヴァーゲンは、時計に例えたらロレックスなんだよ。パテックではないし、オーデマピゲでもない。

ましてやエルメスでもないのに、価格だけはそれと肩を並べるようなところまで上がってきてしまった。

クルマに置き換えると、ゲレンデヴァーゲン(ディーゼル)がレンジローバー(ディーゼル)と肩を並べる、モデルによっては価格が上になってしまうこともあるんだよ。

そう考えたら急に馬鹿馬鹿しくなってしまって、ゲレンデ愛が冷めてしまったというのが本当のところかな。

スガ なるほどな。ゲレンデ愛が急激に冷めてしまったのも、手放す要因のひとつだったワケね。

トガ まぁ、そんな感じかな。でも実際は、BMWの6のグランクーペとマクラーレン570Sを買ってくれた若山君が、「欲しい!」と声を上げてくれていたのが一番大きい。

スガ おっ、ここでもトガの鉄則、「欲しいと言ってくれる人がいる時が売り時」を実践したワケだ(笑)。

トガ だから迷うことなく手放したよ。それに現状の俺には、アルファードとIDバズがある。さすがにデカいクルマは3台も要らないんだよ。必要なのは小型車? あ、でもミニもあるんだった(笑)。

スガ クルマがあり過ぎだろ(笑)。

トガ それともうひとつ、最後にこれは言っておきたい。G450d ローンチエディションはクルマとして気に入っていたのは間違いなかったんだよ。何よりG400dプロフェッショナルと違って、過度に目立たないというのが何より素晴らしかった(笑)。

ただわがままを言わせて貰うと、G450dローンチエディションは、逆に見られなさ過ぎたんだよ(笑)。悪目立ちして注目を浴びるのは嫌なんだけど、やっぱりある程度は見て欲しい。このさじ加減が難しいんだよ。

見られなさ過ぎるのは、やっぱり寂しい部分もある。スガに分かる? この気持ち(笑)。

スガ はい。面倒臭くて、分かりたくもありません(笑)。

メルセデス・ベンツ G450d Launch Edition

 全長×全幅×全高:4680mm×1985mm×1980mm
 車重:2560kg
 駆動方式:4WD
 エンジン:3リッター直列6気筒直噴ディーゼルターボ
 トランスミッション:9AT
 最高出力:367ps(270kW)/4000rpm
 最大トルク:750Nm(76.5kgm)/1350rpm
 価格:¥21,100,000

文・菅原 晃