
30年以上ぶりに乗ったW124の印象、そしてあらためて気が付いたことを戸賀編集長が語ります
去る2024年6月2日、ついに92年式メルセデス・ベンツ300E-24、走行3万9000キロ、ボディカラーはブルーブラックという往年の名車が、オールタイムスターズが誇る正規ディーラーならではのチェック&整備を経て、戸賀編集長の元に納車されたのはまだ記憶に新しいところ。
その後、約2か月に渡り30年以上昔のネオ・クラシックに乗り続けた戸賀編集長が、一体どんなことに気が付いたのか? どこに魅力を感じたのか? 問題点とは? を、今回はあらためて聞いていきたいと考えております。
それでは中編をスタート!
スガ 待ちに待った300E-24が約2か月前に納車された訳だけど、あらためてこのクルマに乗って気が付いたこと、初めて知ったことなどを今回は聞いていきたいと思っています。まぁ、堅苦しい感じではなく、ざっくばらんに聞いていきたいんだけど、実際どんな感じだったの?
トガ そうだなぁ、スガは長い付き合いだから当然分かっていると思うんだけど、基本的に俺は、中古車が好きではない。でも今回の納車は本当に楽しみだったんだよ。それは28歳の時に乗っていた95年式のW124、E280が本当に良いクルマだったことが影響していると思う。

画像は300E
スガ どういうこと?
トガ その当時、俺は俺なりにクルマのことが分かり始めていたこともあって、そのE280の完成度には感動すらしていたんだよ。そして俺がメルセデスにハマるきっかけになったクルマでもあった。95年当時のE280は、新車であっても、昔ながらのDNAを色濃く継承していた、旧き良きメルセデスそのものだったんだよね。もちろん今のメルセデスも世界でナンバー1のブランドだと思っているよ。でも94年に出版された赤池 学さんの「メルセデス・ベンツに乗るということ」を読んだ俺からすると、90年代半ばを境にして、メルセデスは宗旨替えというか、それまでこだわってきたことをほとんど捨てて、まったく新しいメルセデスになってしまったことは否めなかった。だから今回の納車は、中古のメルセデス、旧いメルセデスが納車されるというよりは、本物のメルセデス、本当のメルセデス、何もどこも薄まっていないメルセデスが、時代を経て、もう一度俺のところに戻って来るという特別な想いがあったのは間違いないんだよね。
納車のときは、300E-24を品川まで迎えに行きました
トガ そういう想いがあったからという訳では無いんだけど、今回の納車はクルマを家に持って来て貰うんじゃなく、俺が品川まで迎えに行ったんだよ。
スガ 納車が待ちきれなくて、つい、迎えに行っちゃった感じ?
トガ いや、違う違う。実際は、ちょうど今乗っているゲレンデヴァーゲン プロフェッショナルの初回点検があったから、そのついでにクルマを入れ替えちゃおうと思ったんだよ。ところがその納車の時に、担当の森さんがまさかの所用でいなかったんだよね。せっかく尽力してくれたのに。
スガ 森さん、残念すぎる(泣)。
トガ 代わりに、俺の担当を長年やってくれている天野君が納車を担当してくれたんだけど、その時天野君に、「戸賀さん、納車は代われますけど、僕は旧いメルセデスのことはそこまで詳しくないんです」って言われたんだよ。本当に優秀で、新車販売では戸賀が知る限り日本一の営業の天野君でも、32年前の新車について詳しくないのは、当然と言えば当然なんだけどね。
スガ そりゃそうだ。若手のスタッフなら生まれていない時代のクルマだもん。
トガ そう考えると、森さんのように、『森ならオタクだから良いんじゃない?』とスタッフに言われるくらいの『本物のオタク』がいないと、オールタイムスターズというコンテンツを成り立たせるのは難しいということになるね。
スガ まさに適材適所。旧いクルマのことでも、いろいろと相談を聞いてくれるスタッフがいるというのも、客側からしたら心強いことだよな。
今のクルマなら、ほとんどのクルマに付いている機能が無い⁉
トガ そんな森さんと一緒に見ながら300E-24の購入を決めたのに、納車されてすぐに、一個だけ「おやっ?」と思ったことがあるんだよ。買う時に絶対確認していたはずなんだけどさ。
スガ そういうことを聞きたかったんだよ。で、その「おやっ」っと思ったこととは?
トガ 300E-24って6気筒だし、92年当時なら、Eクラスで最高峰グレードな訳だよな。500Eっていうモンスターが後から出るけど、あれはまた別物だからさ。でなスガ、驚いたことに、運転席側のミラーだけ手動だったんだよ。


なんと運転席側のミラー調節は手動だった。一方、助手席側は電動。不必要で華美なものを良しとしていない時代らしい装備。上/運転席側、下/助手席側
スガ えええ~っ? 300E-24って、そうだったっけ?
トガ そうなんだよ。だけど、俺が乗っていた95年式のE280は両方とも電動だった気がするんだよなぁ。納車してすぐ、ミラーを調整している時に気が付いたんだけど、俺、思わず笑っちゃったんだよね(笑)。
スガ あまりに装備がチープだからってこと?
トガ いや、俺のクルマは俺しか乗らないからそんなに不便は無いし、まったく問題は無いんだけど、最高グレードなのに運転席側には電動ミラーは採用されてないことに、何となく時代を感じてさ(笑)。でもな、これがマーケティングなんて、ほとんどしていなかった時代の本物のラグジュアリーだったんじゃないか? って気もするんだよ。ラグジュアリーだけど、質実剛健というのかなぁ。不必要で華美なものを良しとしていない時代だったというか。
もしかしたら、それがルイ・ヴィトンのトランクとか、エルメスのバッグなんかにも通ずるものがあるような気がするんだよ。そんな当時の『ラグジュアリー』に思いをはせることができたのも、ネオ・クラシックなクルマを手に入れたおかげなのかも知れないね。
現代ならではの問題。立体駐車場では注意が必要かも
トガ そうそう、もう一個、付いていなかった機能を思い出した。こっちは現代の駐車場事情を考えると、けっこう切実な問題かも。
スガ それは聞き捨てならんな! その問題とは?
トガ 300E-24って、ドアミラーが畳めなかったんだよ。
スガ 畳めないの? あ~、あの頃のメルセデスって畳めなかった記憶がかすかにあるかも。
トガ そうなんだよ。ドアミラーが畳めないことに気が付いた時には、すでに当時の引っ越し先の近くに、立体駐車場を借りちゃっていたんだよね。そしてさらに悪いことに、駐車場を契約する時、「駐車の際はドアミラーを畳んでくださいね」って言われていた。これ、入れられなかったら敷金が返ってこないやつだぞ、なんて思っていたら、ラッキーなことにクルマが小さすぎて、ドアミラーが畳めなくても、センサーに引っかからないことが分かったんだよ!
スガ ということは、ドアミラーを畳まなくても、立体駐車場は作動してくれるのか!
トガ その通り。これは本当にラッキーだった。ちなみに、W124のボディサイズは全長で4740mm、全幅1740mm、全高1445mm。現行のC200は、全長で4755mm、全幅1820mm、全高1435mmでほぼ一緒のサイズ感なんだよ。300E-24の小ささにも、あらためて驚かされたよね。でも時間貸しの立体駐車場だと、ドアミラーが畳めない時点で入庫を断られる可能性が大きい。ネオ・クラシックに乗るためには、この辺も注意した方が良いことが分かったのも収穫だった。


W124の全幅は1740mm。現代とクルマと比べるとかなりナローなボディであることが分かる。そのサイズのおかげで、ドアミラーを畳むことができなくても、立体駐車場への駐車が可能だったと戸賀編集長
スガ なるほど、今の常識とはかなり違いがあるんだな。
トガ そうなんだよ。その辺に30年前のクルマなんだよなぁ、とあらためて思った記憶がある。
W124のエアコンは最強。車内は冷蔵庫⁉
トガ でもなスガ、もっと特筆すべきところがあった(笑)。
スガ お、良いねぇ(笑)。その特筆すべきところを是非お聞かせください(笑)。
トガ あの300E-24、2024年の酷暑の夏でも、車内が冷蔵庫かっていうくらいにエアコンが効くんだよ(笑)。オールタイムスターズの森さんが、『W124のエアコンは本当に効きます』って購入前から力説していたけど、これは思っていた以上に本当によく効いた。純粋に驚いた。だって30年前のクルマだぜ。

酷暑の夏でも300E-24の車内は冷蔵庫並みに冷えたとか。温度調整はダイアル式
スガ それはマジで凄いよな。だって、せっかく待ちに待った300E-24が納車されても、この暑さでエアコンが効きかなかったら、さすがにトガも乗っていくのは控えるもんな。っていうか、エアコンが効かないせいで、トガの中で300E-24の評価がダダ下がりする可能性があった気がしてならない(笑)。
トガ まぁ、可能性はゼロではない (笑)。でもW124が気になっている人で、エアコンの効きを気にしている人がいるなら、冷え過ぎるくらい冷えることを、俺が実体験しているからまったく問題はないと思うよ。まぁ、オールタイムスターズでメンテナンスをして貰ったというのが、大きいのかも知れないけどね。
W124の運転のしやすさ、ハンドルの鬼切れを再認識
スガ それは間違いなくあると思う。でも相対的に、W124のエアコンの効きが良いというのもあるのかもね。森さんによるとエアコン関連の部品もオールタイムスターズなら全部新品に交換できるらしいから、この辺も間違いなく関係していると思う。
話しは変わるけど、走りという点で、30年前のクルマだからという理由で問題を感じたことはあった?
トガ 問題を感じたことはないなぁ。でも、納車されて運転をし始めてすぐに驚いたことがある。それは運転のしやすさ、そして『ハンドルが鬼切れ』ということだね。

当時のメルセデスの代名詞、『ハンドルが鬼切れ』。その小回りの利き具合に、戸賀編集長もあらためて驚いたとか
スガ あ~、当時のメルセデスの、『ハンドルが鬼切れ』は代名詞みたいなもんだったよな。
トガ その通り。あの鬼切れを久しぶりに体感して、あらためて驚いたし、感動もした。前のマンションでゲレンデを駐車していた場所って、ブログにも何回も書いたけど、むちゃくちゃ狭かったんだよ。そんな場所でも300E-24なら、切り返し無しで一発駐車できたし、Uターンも本当に楽だった。
スガ あの頃のメルセデスって、ハンドルを切ってロックさせてみると、タイヤが倒れこむみたいに傾いて、変な方向を向いている感じに見えるんだよな。確か、ハンドルの切れ角に加えて、キャンバー角度を変化させているんじゃなかったっけ?
トガ 確かそんな感じだった。でも本当に、300E-24運転のしやすさには、驚かされたよ。そして、もうひとつ。やっぱり300E-24の走りの良さは、今の道路事情でもまったく問題ないことも分かった。東関道の四街道から成田までって、120㎞/hで走れる区間があるだろ?
現代の道路事情でも、まったく問題のない走り
スガ あ~、ゴルフに行く時に良く使っている道ね?
トガ あそこを120㎞/hで巡行するなら、アクセルに足を乗っけているだけでOK。ちなみに300E-24って、4速なんだよ。だからもう少しギアがあっても良いかなって思うくらいパワーがあるし、ギアが繋がる時は、機械と機械をガタンと繋げた感じもあって、クルマ好きには最高に良い感じだった。文句のつけようが無いくらい最高のクルマだったよね。
スガ (ヤバい、トガが自分の世界に浸っている)。ところでトガ、そんな最高のクルマである300E-24だけど、小さなことでも良いから、何か問題点はないの?
トガ 問題点かぁ、何かあったかなぁ? あっ、強いて言うなら、一つあったかな。
スガ おっ、その一つの問題点とは?
トガ 昔のクルマって、ブレーキダストが凄かっただろ? だから俺の300E-24も、クルマの汚れ、とくにホイールの汚れが半端なかったんだよ。せっかく新品同然のホイールで納車されたから、あの美しさはいつまでもキープしたい。コインパーキングで、俺が自分で、ガ~~~ッと洗ってあげたいと思っちゃったんだよね。だから、ブレーキダストの汚れが唯一の問題点だったかな。
あとこれは問題点では無いんだけど、左右電動調整ミラーなどの便利な機能が欲しい人は、93年式以降のモデルを購入するのが正解。さっき思い出したんだけど、93年式以降はE320、E280……という感じで“E”が頭に付くようになるんだよ。それを境にいろんな便利機能も付き始めた。さすがにカーナビはまだ付いて無かったけど、便利機能が付き始めたこの頃も見逃せないよね。
そういえばスガ、話は変わるけど、車内の椰子の香りのことはまだ話してないよな?

昔のクルマにありがちな、ブレーキダストによるホイールの汚れは、300E-24においても同様だった
スガ してないけど椰子だったら、シートの話しだよな?
トガ そうそう、だったら次回は、その辺から話しを始めようぜ。300E-24のために用意したキーホルダーの話しとか、もうちょっと話しておきたいこともあるし。
スガ OK。最初は前編後編という構成のつもりだったけど仕方ない。今回はこの辺で切り上げて、次回もW124の話しを続けることにしよう!
まだまだ300E-24の話しが尽きない戸賀編集長。次回もまた後編として、300E-24の話しが続きます。
メルセデス・ベンツ 300E-24
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4740×1740×1445mmメルセデス・ベンツ品川
東京都品川区東品川3丁目28−25文・菅原 晃