トガナリ

Column

26/1/11

vol.37 期間限定で手に入れたマイバッハGLS600。ラグジュアリーSUVの頂点とも言えるクルマを手離した後、戸賀編集長が選んだ次のSUVとは!?

出版業界では、かなりのクルマ好きとして知られている戸賀編集長(トガ)。数々のクルマを乗り継いで来た彼が、10年に渡るメンズクラブ編集長という肩書を外し、忖度が無くなった状態のなかで、「どんな基準でクルマを選んでいたのか?」、「そのクルマの魅力はどこなのか?」等を大いに語ります。
話の聞き手は、戸賀編集長が雑誌編集者時代から30年来の付き合いを続けている、フリーランスエディターの菅原(スガ)。若い頃の数年間は、仕事も遊びもほとんど一緒に過ごしていたという「トガ&スガ」の二人。そんな二人ならではの昔話、こぼれ話もお楽しみに!

 

狙うは、限定車の一択!?

 

スガ 前回はフェラーリF8 トリブートについて語ってもらったけど、今回はスポーツカーでは無く、SUVについて話してもらいたいと考えております。

前々回では、ラグジュアリーSUVの頂点と言っても過言では無い、マイバッハGLS600を期間限定の贅沢として購入。そのクルマを新居に引っ越す前に売却したところまでは聞いたよね?

トガ 確かそうだった。マイバッハはまさに究極の1台だったよ。妻も、贅沢嫌いなおふくろも気に入ってくれたしね。あんなクルマ、二度と現れないかも知れない。

スガ でもその究極の1台を手離すときには、すでに次のクルマを考えていたんだろう? だって手離す時期は決まっていたんだし。

トガ いやいや、それだとちょっと語弊があるな。確かにマイバッハは期間限定の贅沢だったし、新居の立体駐車場には、重量の関係で入らないことも分かっていた。

だから手離す前には次のクルマを考えなきゃいけなかったのは間違いないんだけど、本当に良いクルマだったから、もう少し所有していたいという気持ちもあったんだよ。でも物理的に不可能だから、メルセデスの営業担当に、『ゲレンデの限定車が出ることになったら教えて欲しい』、という連絡をしていたって感じなんだよね。

スガ マイバッハは、相当気に入っていたんだね。

トガ まぁ、可能ならもう少し乗り続けていたかったのは間違いない。でも、そうこうしている内にG400dのプロフェッショナルという限定車が出るという情報が営業担当から入ってきた。それも、ヴィンテージブルーとデザートサンドという2色で展開されて、それぞれ250台ずつが発売されることが分かった。

さらに調べてみると、それぞれ250台の内の50台だけに左ハンドルが用意されていることが分かったんだよ。

スガ トガが大好きな、左ハンドル仕様が用意されていることが分かったワケだな。

トガ そうなんだよ。そこで重量を確認してみたら、新居の立体駐車場に入ることも分かった。もう速攻でデザートサンドの左ハンドルの予約を入れてしまったことは仕方がないと思うよな?(笑)。

スガ 思いません(笑)。

トガ ちなみに内装は黒で、そこに施されるステッチは銅色っぽいカラーということも分かった。ちなみにヴィンテージブルーのボディカラーのモデルのステッチはブルー。こだわりポイントが多い限定車だから、予約が多くなれば抽選になってしまうのは仕方ないよな。

スガ まぁ、そうするしかないもんな。

トガ 左ハンドルは50台の限定だからさらに当たるのは難しい。ダメ元でメルセデスの営業に「ちょっと融通してもらえないかなぁ?」って軽く、あくまでも軽〜く聞いてみたんだけど、「厳正な抽選ですから」とあっさり却下されたんだよ。このことは今だから言えるんだけどね(笑)。

 



 

ゲレンデの限定車は、鉄板の売れ筋モデル?

 

スガ 融通が効かないのは当然だろ(笑)。でも残念なことに、ご希望のプロフェッショナル左ハンドルの抽選に当たっちゃうんだろ?

トガ まぁ、日頃の行いが良いからね(笑)。

スガ 外れちゃえば良かったのに(笑)。ところでゲレンデの限定車って、(リセールという面では)やっぱり高値で取引されているの?

トガ それは間違いない。じつは俺が昔乗っていた、車幅の細いゲレンデのG320(97年式)にも『プロフェッショナル』という名前の限定車が出ていたんだよ。これが今、かなり値段が上がっている。それもあって、G400d プロフェッショナルのリセールもいけるんじゃないか? と俺は踏んだんだよ。

実際のところ、納車から少し経ったタイミングでカーセンサーを見てみたら、デザートサンドの左ハンドルの価格が、間違いなく上がってきている状況だった。

スガ やっぱりゲレンデの限定車は人気なんだなぁ、と思いながら、なんかムカつくのはなぜなんだろう?

トガ (笑)。でもなスガ、実際に乗り始めた俺は、あることに気が付いてしまったんだよ。このゴリゴリのヘビーデューティー仕様のG400d プロフェッショナル デザートサンドってクルマ、俺のライフスタイルには合わないんじゃないか? ってことに(笑)。

スガ 気が付くのが遅すぎるだろ(笑)。

トガ そもそも俺、アウトドアって苦手じゃん(笑)。ゴルフに行くにしても、ルーフキャリアにゴルフバッグは積まないしね。

スガ まぁ、ルーフキャリアにゴルフバッグを積んでるヤツは、あまり見たことが無いね。

トガ さらにプロフェッショナルって、リアにけっこう主張の強い梯子も付いていたんだけど、俺は絶対に登らないし(笑)。

スガ それは間違いないね(笑)。

トガ 俺のライフスタイルに必要のない装備が付きまくっているのは、ちょっと頂けないワケだ。さらに内装が黒っていうのも、引っ掛かったんだよ。

 



 

スガ なんで?

トガ ゴルフ場で炎天下に黒の内装のクルマを置いておくと、とんでもなく暑くなるってことは前にも話しよな?

プロフェッショナルには、メルセデスのアプリを入れておけば離れた場所からでも10分間だけエンジンをかけて、冷房を作動させることができる機能が装備されていたんだけど、この頃の日本の夏は、10分間くらいの冷房じゃまったく意味が無いんだよ。シートは熱いままだしね。

実際には、さらに1回だけ冷房を10分延長できる機能があったんだけど、はっきり言って焼け石に水。やっぱり黒の内装は暑くなりすぎるんだよ。

ちなみに、前に所有していたG400dのマグノホワイトの内装は、白のレザーで、車内もそこまで暑くならなかった。

最高にカッコいい内装だったんだけど、残念ながらあっちは右ハンドルだったんだよなぁ。

スガ トガ、すべてがそんなに上手くいくワケはないのだよ(笑)。

 



 

ルーフキャリアが付いているクルマは、車高にも注意が必要

 

トガ 問題点をさらに言うと、あのゴツいルーフキャリアが付いていることで、高速を走っていると80キロくらいから風切り音がし始めるんだよ。120キロになると、まぁまぁ大きめな音が出て気になってくる。

それ以上スピードを出すことは無いけど、さらにスピードを上げたとしたら、音はさらに大きくなるのは間違いない。やっぱり俺にとってルーフキャリアは、まったく必要のない装備なんだよね。

スガ まさに、無用の長物ってこと?

トガ そう言ってしまうと身もふたもないけどね。ちなみにこのキャリアが付いたことで、プロフェッショナルの車高は2m4cmにもなる。ノーマルのディーゼルが1975mmだから、それと比べて65mmも高い。

その高さだと、重量はパスしているのに、車高で駐車場に入れてもらえないなんてこともある。

 



 

スガ そう考えると、トガにとってルーフキャリアは、マジで要らない装備ってことになるよな。

トガ そうなんだよ。ルーフキャリアのせいで、ルーフを洗えないのも俺としては気持ち悪かった。俺って神経質じゃん。

スガ はいはい(笑)。でもG400d プロフェッショナルにも良いところはあったんだろ?

 

 

ステップが無いことが良いのです!

 

トガ 当然ありました。まず最初に頭に浮かぶのは、ステップが付いていないこと。普通のゲレンデって車高が高いから、乗り込む時のために一段ステップが付いているんだよ。このステップが俺的には邪魔なんだよね。

スガ どういうこと? ステップがあった方がクルマに乗り込みやすいじゃん。けっこう車高もあるし。

トガ スガ、申し訳ない。じつは俺、ステップを使わなくても、直接クルマに乗り込むことができるんだよ。なんなら、そのままシートに腰掛けることができる。

俺ってほら、脚が長いじゃん (笑)。

スガ うるさいよ。

トガ だからステップが付いていると、乗り込む時&降りる時に、パンツのふくらはぎの内側に当たって汚れちゃうことがあるんだよ。スガにこの感じが分かるかな〜?(笑)

スガ マジでうるさい。

トガ パンツが汚れる問題は、ゲレンデに乗っている人あるあるだと思うんだけど、とくに雨の日は気を遣うんだ。だからステップが無いというのは、俺にとっては良い点だったかな。

ただ、ステップが無いと女性が乗る時にエレガントさをまったく演出できなくなっちゃうから、ちょっとかわいそうな感じはするよね。

まぁ、俺のゲレンデには原則として男しか乗らないから、このステップ問題はあまり関係ないんだけど。

スガ なぁトガ、他にちゃんとした良い部分はないのか?

 

 

プロフェッショナルのホイールはおススメ

 

トガ ステップが付いていないことは、かなり良い点だろ?(笑)。

でも、他にも良い点は当然ある。例えばホイール。限定車のホイールっていっても、単純に色を変えただけだったりすることが多いんだけど、G400dのプロフェッショナルには、まったく新しくデザインされた5本スポークが装着されていた。

この形状のホイールは、洗いやすいし、洗い残しがないのが最高なんだよ。さらにこのホイール、ノーマルの20インチから18インチに2インチもインチダウンがされているから、オールウェザータイヤを履いていたのにロードノイズがほとんど聞こえてこないんだよ。そして何と言っても乗り心地がメチャクチャ良かった。

スガ それは本当に良かったところだね!

トガ ゲレンデに乗っている人にこのホイールは本当におススメだと思うよ。

 



 

スガ そういえば、今回はなんでデザートサンドっていうトガにしては珍しいカラーを選んだの?

トガ それは良い質問(笑)。じつは、このG400d プロフェッショナルの前に発売された、G320のプロフェッショナルには、デザートサンドというカラーは設定されていなかったんだよ。ヴィンテージブルーの設定しかなかったから、デザートサンドのタマ数が圧倒的に少ない。

ということは、リセールも期待できるということになる。

スガ 限定ということだけじゃなく、ボディカラーでも希少性を追求していたのか!

トガ 当然だろ? やっぱりリセールを考えたクルマ選びなら当然ボディカラーにはこだわるべき。

クルマを乗り継いでいくためには、希少性、そしてボディカラーは非常に大切だと思うよ。愛車が高く売れれば、次のクルマの選択肢が増えるしね。

スガ それは納得だな。でもそうなると、次の買い替えがそう遠いことではなかった理由も分かるね。

トガのライフスタイルに合わない、でも希少性は高い。さらにリセールも期待できる。どう考えても売り時じゃん(笑)。

トガ まぁ、当時はカーセンサーチェックは毎日欠かしていなかったのは間違いない(笑)。

でもなスガ、このG400d プロフェッショナルのデザートサンドカラーを所有して、あらためて考えた事があるんだよ。

スガ お、何十台ものクルマを乗り継いできて、ついに何かに気が付いたのか?

トガ そう。目立ち過ぎるクルマを所有するのは、やっぱり控えた方が良いってことに、この時あらためて気が付いたんだよね(笑)。

スガ いまさらだな(笑)。

トガ ゴルフに行った時も、「東関道を走っているのを見ましたよ」って言われたし、都内を走っていても「この間、骨董通りを走っていたでしょ」とか、この頃、俺の目撃情報がやたらと多くなったんだよ(笑)。

ボディカラーで目立つし、俺にとって必要のないヘビーデューティー仕様の装備でさらに目立つ。次回のクルマは、目立たないクルマにしようと考えたんだよね。

スガ トガ、現在911ダカールに乗っているお前の口から、「目立ちすぎる限定車には乗らない」的な発言が出ること自体が信じられんのだが(笑)。

メルセデス・ベンツ GクラスG400d ディーゼルターボ 4WD プロフェッショナルエディション

 エンジン:直列6気筒3リッター ディーゼルターボ
 最高出力:330ps
 ミッション:9速AT
 ボディサイズ:全長4900mm×全幅1930mm×全高2040mm
 車重:2490kg

文・菅原 晃