
フェラーリは好きだし、気になる存在ではあったが、それを認めたくない自分も居たと戸賀編集長。彼をもってしてもフェラーリF8トリブートの魅力には抗えなかった!?
マイバッハはセカンドカーではありません!
トガ スガ、本題に入る前にちょっといい?
スガ うん? 何かあった?
トガ いや、この間のマイバッハの原稿、良く書けていたと思うんだけど、一点だけ気になるところがあったんだよ。さすがにマイバッハをセカンドカーっぽく扱うのはどうかと思ったんだよね。 マイバッハをセカンドカーなんて言っちゃうヤツがいたら、そいつはただの嫌なヤツだと思わない?
スガ そりゃそうだ。
トガ そうだろ? 俺にとってスポーツカーは、ダントツに好きな、言ってしまえば俺の『魂』みたいなものでファーストカーを超えた特別な存在なんだよ。で、SUVは大好きなクルマで、ファーストカー。セカンドカーになると、前々回のUp! GTiみたいな日常使いのクルマって感じなんだよ。分かるかなぁ。
スガ なんとなく言いたいことは分かる。ようするに、トガのなかでスポーツカーは特別すぎて、ファーストカーという括りにさえ入らないって感じなんだろ?
さらにトガにとって、前回のマイバッハは間違いなくファーストカーだったワケだ。だったら今回から、そういう感じの括りをやめることにしよう!
これからは、スポーツカーはトガにとって『魂』とも言える特別なクルマという括り。
ラグジュアリーSUVやラグジュアリーセダン&クーペなどがファーストカー。日常使いできるクルマがセカンドカーみたいな感じでいいんじゃないかな?
トガ まぁ、そんな感じになるかな。
スガ 了解! まぁ細かいところは、その回ごとに確認していくことにしよう。ということでトガ、今回はマクラーレン570Sの次に購入した、魂の『スポーツカー』について聞いていきたいと思います。さて、その1台とは?
トガ いきなりだな(笑)。とりあえず、クルマの括り方については了解。スガの言った通り、その辺りはその度ごとに決めていこう。
そして、マクラーレン570Sの次に購入した1台だけど、それはフェラーリF8トリビュートだったんだよ。

「488GTB」の後継モデルとして開発された、「F8トリブート」。2019年3月のジュネーブモーターショーでデビュー
戸賀編集長、ついにフェラーリを購入する!
スガ あれ? トガさん。ついにフェラーリに手を出しちゃったの?(笑)
確かマクラーレン570Sを購入するとき、「ポルシェ以外のスポーツカーも試してみたくなっていた時期だった」「それはフェラーリやランボルギーニではなかった」「そんなとき、目の前に現れたのがマクラーレンだった」なんて言ってなかったけ?(笑)
さらに言っちゃうと、やっぱりイギリス車には、「イタリア車であるフェラーリやランボにはない控えめな上品さがある」とかも言っていたような記憶があるんだけど(笑)。
トガ うるさいな(笑)。でもなスガ、マクラーレンには3年乗ったんだよ。確かに最初の2年はマクラーレンのアンバサダーだったけど、最後の1年はアンバサダーを卒業しても、ただ純粋に570Sを気に入っていたから乗り続けていたんだよ。それくらい好きな1台だった。
スガ 確かにトガが同じクルマに3年間乗り続けたのは、滅多にないことだな。
トガ そうだろ? それだけで俺がマクラーレンを本当で気に入っていたことが分かるだろ? でもさ、クルマ好きって、いつだって新しいクルマが気になるもんだよな。それはスガにも分かるだろ?
スガ 残念ながら分かってしまう自分がいる(笑)。
トガ だろ?(笑) だから当時は、凄く硬派でシック、さらにお気に入りだったマクラーレン570Sに乗っているにも関わらず、その対極にある派手なランボルギーニのV10、V12がついにハイブリッド化! なんてニュースを聞くと、やたらと気になってしまう時期だった。
スガ 凄くよく分かる(笑)。
トガ そうして色んな新車の情報を集めたり、ポルシェ、マクラーレン、ランボなどのスポーツカーの中古相場の動きをチェックしたりしていると、あることに気が付くことになるんだよ。
スガ どんなこと?
トガ それは、スポーツカーの世界では、どうしてもフェラーリが幅を利かせているという事実。
やっぱりスポーツカーの世界でも、フェラーリは間違いなく特別な存在なんだよね。俺もポルシェやマクラーレンに乗ってきたけど、やっぱりフェラーリはどこかで特別なクルマなんだと思っていた節がある。
スガ まぁ、俺の中でも、フェラーリは『スポーツカーの頂点』というイメージがあるのは間違いないけどね。
トガ そうなんだよ! フェラーリは硬派な部分と、ある意味、派手な部分を兼ね備えているクルマでもあるんだよな。だからこそ世界中のクルマ好き、例えば弩が付くほどコンサバな人からも、けっこう派手なのが好きな人からも愛される存在なんだと思うんだ。
当然、日本のマーケットでも人気があるから、その売り上げが世界第4位というのも納得だよな。
スガ 世界第4位! 確かに都心を移動していると、けっこうフェラーリに遭遇するよね。
トガ さっきスガにツッコまれたけど、俺はフェラーリに対して、けっこうアンチという立場をとっていた節もある。フェラーリは好きだし、気になる存在ではある。でも、それを認めたくない俺もいたんだよ。
だからフェラーリではなく、敢えてマクラーレンに乗っていた部分があることも否めないんだよね。
スガ 口には出さないけど、本音としては昔からフェラーリが気になって仕方がなかったんだろ?(笑)
トガ そこは認めざるを得ないかな(笑)。でもクルマ好きなら、どうしたってフェラーリというブランド、さらにそのエンジンが気になるのは仕方がないことだろ? フェラーリのエンジンは、どんな人でも惹き付けられるサウンドを持っていると、俺は思っている。
だから570Sに乗っている時、『やっぱり一度はフェラーリに乗ってみたい』『あのエンジン音を手に入れたい』と考えている自分がいることに、あらためて気が付いちゃったんだよ。
まぁ原因の一つは、「570Sのエンジン音がイマイチだったから」という気もするけど(笑)。

キャビン後方に縦置きされるV8ターボエンジン。最高出力720PS/8000rpm、最大トルク770N・m/3250rpmを発生する
じつはマクラーレンに乗っている時に、オーダーを入れました
トガ これはマクラーレン570Sの回でも話したことなんだけど、あの当時、制作会社を経営している友人の若山社長が、「戸賀さん、マクラーレンをどうしても譲って欲しいんですけど、いくらなら売ってくれます?」って、何度も声を掛けてくれていたんだよ。
もちろん、アンバサダーは卒業していたし、タイミング的にマクラーレンの売り時だったのは間違いない。
だからこそ、『若山社長にマクラーレンを引き取ってもらうのが一番』と決意したワケなんだけど、それとほとんど同じタイミングで、なぜかフェラーリの営業から連絡が入るんだよ。
スガ タイミングが絶妙過ぎる(笑)。
トガ そうなんだよ(笑)。そこでその営業と話しをしたワケなんだけど、今ならフェラーリを購入することが可能だということが分かってしまった。
フェラーリを正規で購入するチャンスが、向こうからやって来るタイミングなんて滅多にあることじゃない。だから即決で内金を入れて、購入を決めたといういきさつがあったんだよ。
アンチの立場で購入したマクラーレンに乗りながら、裏ではフェラーリに内金を入れている時は、何となくマクラーレンのシートの座り心地が悪かった記憶があるけど(笑)。

戸賀編集長の後ろに見える丸目4灯式のリアコンビランプ、そしてそれらを囲むボディー同色パネルは、V8エンジン搭載モデルであった往年の「308GTB」、「328GTB」などへのオマージュだ
フェラーリを、まさかのZOOMでオーダーする
スガ 内金を入れた後って、フェラーリから連絡があるまで待っている感じなの?
トガ そうだね。そこから少し経った頃、フェラーリから「戸賀さん、オーダーのタイミングがきました」って連絡が入るんだよ。
でも、当時はまさにコロナ禍。だから営業所に行くこともできずに、まさかのZOOMでオーダーすることになったんだよね。
スガ その経験は、ある意味貴重なんじゃない?(笑)。俺はフェラーリを買ったことがないから良く分からないんだけど、ZOOMでもかなり細かい部分までオーダーができるの?
トガ できるんだよ。じつは、このF8はフルオーダーをかけたんだけど、担当者も俺も、自分のパソコンの画面を見ながら「ここの素材はどうしますか?」「ここの色はどうしますか?」みたいに進めていく感じだった。
スガ ちなみにそのZOOMでのオーダーって、どのくらいの時間が掛かるもんなの?
トガ 確か全部で2時間くらいだったかな? フルオーダーだから、外装、内装の色だけじゃなく、パーツの素材や内装なステッチの色みたいな細かいところ、シートベルトの色に至るまで、すべてを自分で決めていくんだよ。
スガ それって究極の贅沢だよな。
トガ それは、本当にそう思う。自分だけの1台を作り上げることができるワケだからね。そして、このZOOMでのオーダーが終了した時点で、こちらの手を一旦離れることになる。
スガ ということは、イタリア本国での作業が始まるってこと?
トガ そうだね。もうその後は、すべてイタリア側にすべてを委ねるっていう感じ。
でもクルマが日本に届くまでの間は、自分のクルマが今どういう状態なのかが分かる画像をフェラーリがアプリで送ってくれるんだよ。納車待ちの時間をそんな風に愉しませてくれるあたりは、さすがフェラーリだったね。
スガ 確かに、さすがフェラーリだ(笑)。
トガ 日本にクルマが届くまで、10か月くらいは掛かったと思う。で、ついに納車となるんだけど、納車当日にまさかの事態が待っているんだよ。
スガ まさかの事態? うわ~、気になる~。でも話しが長くなるような予感がするので、とりあえず今回はここまでにしよう!
トガ 了解です。
次回の後編では、戸賀編集長は、なぜF8を選んだのか? どんなオーダーを入れたのか? そして、まさかの顛末をお送りしたいと思います!

フェラーリ F8トリブート
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4611×1979×1206mm文・菅原 晃