番外編「2025年3月、人生初のミニバンを所有してしまいました」現在進行形で進む 戸賀敬城の愛車遍歴決定版!
- 雄斗 田村
- 4月7日
- 読了時間: 8分
更新日:4月21日

数々のクルマを乗り継いできたことから、業界でもかなりの“クルマ通”として知られる戸賀敬城。彼が選んぶクルマが持つそれぞれの魅力、さらには、そこから読み取ることが出来るクルマ選びの基準を、本人の口から語ってもらうのがこの『愛車遍歴決定版!』。話の聞き手は、戸賀(トガ)のCar Ex編集部時代の同期であり、フリーランスエディターの菅原(スガ)。編集部時代は、仕事も遊びもほとんど一緒に過ごしていたという「トガ&スガ」ならではの、懐かしい昔のこぼれ話もお楽しみください!
2月某日。戸賀(トガ)から菅原(スガ)のもとに、一通のLINEが届きます。その内容は、『新しいクルマを買いました』と一言だけのシンプルなもの。
「いつものことだとは言え、いきなりクルマを買うなよ」と思いながら、トガのもとにスガが電話を入れたことから話は始まります。
スガ あのなトガ、いきなりクルマを買いました、ってLINEを送ってくるのはお前くらいなもんだぞ。まぁ、それで気になって電話しちゃう俺も俺だけどさぁ。
トガ スガから連絡が来ることは想定済み (笑)。ところで今回の話しを『トガナリ。』に載せたいんだけど、原稿にまとめてくれる気はある?
スガ おおっと、お仕事ですか? そりゃもちろん、よろこんで(笑)。というかトガ、お前、現状でゲレンデの450dとポルシェのダカールと、メルセデスの300E-24を所有しているよな? そこにもう一台増やすなんて可能なの? そんなに気に入ったクルマが出てきたってこと?
トガ う~ん、気に入ったというか、やむにやまれぬというか……。
スガ トガにしては珍しく、歯切れの悪い返答だな。で、何を買ったんだよ。
トガ トヨタ アルファード スペーシャスラウンジ PHEVモデルです。



スガ はい? あのミニバンを毛嫌いしていたトガがアルファード? まったくファン・トゥ・ドライブじゃないし、もちろんドライバーズカーでもない、後ろに乗る人のためのクルマを何でトガが買うの?
トガ ちょっと言い訳させてくれ。ミニバンは今でも俺が乗るクルマではないと思っているのは間違いない。我が家は俺と妻、そしてpちゃんしか居ないから、ミニバンを買うようなシチュエーションは考えられないんだよ。
でも今回は買うしかなかった。だからセダンでは実現できない大きな空間を得ることができる特別感のある4人乗りを買うことを決めた。でも、そうなるとアルファードのスペーシャスラウンジかレクサスのLMエクゼグティブしか選択肢がないんだよ。まぁ、いろいろ考えて、アルファードにしたんだけどね。
でも、亡くなった徳大寺(有恒)さんも、ミニバンはただの道具でしか無いって言っていたんだよなぁ。俺もそう思っていたから、買っちゃいけないジャンルのクルマだと思っていたのに、う~ん、今回はやむにやまれず……。
スガ トガらしくないなぁ。何かミニバンを買うことになった理由があるんだろ? ハッキリ言っちゃえよ。
トガ まぁ、隠していてもいずれはバレるしな。話しは長くなるけど聞いてくれ。じつは妻のSクラスでゴルフに行くときがあったんだけど、そこで軽く“コツン”とやっちゃったんだよ。
スガ コツン? 事故ったのか?
トガ 本当に軽く当たっただけでクルマが壊れた訳ではないし、身体もなんとも無かったんだけど、妻がびっくりしちゃった訳だ。結婚してから13年、クルマをぶつけたことなんて一度も無かったからね。
スガ 昔はぶつけまくっていたけどな。
トガ 常磐道でスピンして、アルピーヌを全損にしたお前に言われたくない(笑)。で、妻は考えた訳だ。俺の反射神経が衰えてきたんじゃないか? とか、寝不足で疲れが溜まっているんじゃないか? とか、かなり心配になってしまったらしいんだよ。
そこで俺に聞いてきた。「ゴルフに行くときぐらい、誰かに運転をお願いすることはできないの?」 と。
スガ いい奥さんだ。
トガ でもなスガ、俺は運転を人に頼んでゴルフに行けるほど儲かっている訳じゃない。まだまだ運転手を雇えるような身分じゃないんだよ。だから今回も、これからはさらに気を付けて運転するから大丈夫だよ、で終わりにしようと思っていた。でも妻は納得してくれなかった。クルマをぶつけてしまった事実、それが妻のクルマだったこともあって、状況はかなり不利。そんなこんなで、妻に押し切られちゃったというワケ。
スガ まぁ、奥さんが心配するのも分かる。トガって昔からワーカーホリック気味なところがあるもんな。さらに遊びにも手を抜かない。自分でも気が付かない内に疲れているであろうお前が、早朝にゴルフに向かうときなんて、本当に心配だと思うよ。トガ、運転手のあてはあるの? 俺がやってやろうか?
トガ それは断る。スガ、お前、朝起きられないだろ(笑)。じつは、ちょうど面倒を見ることになった男がいるので、運転手は彼にやらせてみようと思っているんだよ。


なぜ、アルファードのスペーシャスラウンジを選んだのか?
スガ ミニバンを購入することになった経緯は分かった。でも何で、アルファードのスペーシャスラウンジなの? トガだったらメルセデスのVクラスとか、アルベルならヴェルファイアの方がトガっぽいじゃん。
あ、4人乗りならレクサスのLMもある。
トガ 確かにそこは考えた。でも今回は乗り心地にフォーカスしようと思ったんだよ。基本的に自分が運転する訳ではなく、運転は人に任せる訳だからね。LMに乗っている友人にゴルフ場まで送ってもらうことがあるんだけど、その時にLMは少し乗り心地が硬いような気がした。
それにLMの4人乗りは、運転席とリアシートの間にパーテーションがあって、運転席のシートが倒せないんだよ。ゴルフの時って、運転手に長時間待機してもらうことになるだろ? その時こそ快適に過ごしてもらいたい、ということで、シートが少ししかリクライニングしないLMは候補から外した。内装のモダンラグジュアリーは、間違いなく世界一だけどね。
足の硬さで言うと、Vクラスも硬いんだよ。乗り心地重視ということで、Vクラスも外した。
ちなみに兄弟車であるヴェルファイアは、ほんのり足が硬い感じで、自分で運転するには良いクルマだと思う。でも今回は4人乗りが出なかった。ということで、ヴェルファイアも外れた。


スガ 消去法でバンバン外れていくね(笑)。確かに運転手がいて、リアシートで快適に過ごすなら、乗り心地は断然ソフトな方が良いよな。
トガ だよな。じつはなスガ、ここで白状すると、アルファードを選んだ理由がもうひとつあるんだよ。義父が会社の送迎用のクルマとして、アルファードを使っているんだよね。会社の送迎用とは言え、さすがに義父より高いクルマを買う訳にはいかない。ということで、最終的にはアルファード一択になってしまった (笑)。
さらに言うと、ボディカラーも消去法で決めた。今回のアルファード、黒、ブラウン、シルバー、パールホワイトと4色から選べたんだけど、黒はいかにもハイヤーっぽいから除外。ブラウンはかなり気になったんだけど、義父の会社のアルファードがブラウンなのでこちらも泣く泣く除外(笑)。シルバーはなんの捻りもないただの色気のないシルバーだったので、まったく興味が湧かなかった。ということで、パールホワイトしか選べなかったという経緯がある。
ちなみに内装は明るい感じにしたかったので、ベージュレザーをチョイスしました。
アルファードのスペーシャスラウンジって、どんなクルマ?
スガ ところで肝心なことを聞いてなかった。アルファードのスペーシャスラウンジって、どんなクルマなの?
トガ 簡単に言えば、3列目のシートを取っ払って、リアシートを2つにしたショーファードリブン仕様のアルファードって感じかな。


スガ ネットで調べてみたら、後席は電動で前後方向に伸び縮みするオットマン付きのシートで、ヘッドレストにはスピーカーが内蔵されているらしいぞ。あっ、冷蔵庫も付いている。
おっ、アルファードのスペーシャスラウンジって、運転席とリアシートの境って、パーテーションじゃなくてカーテンなんだね。これなら運転手さんのシートも倒せるじゃん。
トガ そう、LMのエクゼグティブだとパーテーションだけど、アルファードのスペーシャスラウンジはカーテンであるところがポイントなんだよ。たとえば家族旅行でこのアルファードを俺が運転することがあったとしても、カーテンならpちゃんが運転席、助手席まで来ることもできる。ここもポイント高い(笑)。
さらにリアシートの後ろの荷室空間には、洋服掛けも用意されているんだよ。これなら着替えを吊るしておくことができるから、ゴルフのあとに打ち合わせにも、何ならパーティに向かうこともできる。


スガ トガにしてみたら、かなり使い勝手の良いクルマなんじゃないの?
トガ 確かに使い勝手は良いと思う。でも、まだ分不相応という感は否めないんだよなぁ。
スガ まぁ、分相応になったと、トガ自身が納得できるまで頑張るしかないと思うよ。
トガ スガのくせに、意外とまともな事を言っている(笑)。
ということで、次回は実際の使い勝手、乗り心地について語ってもらいたいと思います!
トヨタ アルファード スペーシャスラウンジPHEVモデル
全長×全幅×全高:4995mm×1850mm×1945mm
ホイールベース:3000mm
車両重量:2470kg
エンジン:直列4気筒+モーター
総排気量:2487cc
最高出力:170ps(130kW)/6000rpm
最大トルク:22.3kg-m(219N・m)/3600rpm
トランスミッション:電気式無段変速機
駆動方式:フルタイム4WD
文・菅原 晃
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